Salesforceってなに?

Salesforceは、セールスフォース・ドットコム社が提供するクラウド型のビジネスアプリケーションです。営業支援(SFA)や顧客管理(CRM)などの機能を中核に、目的に合わせて複数の製品を組み合わせて使うことができ、自社の使用用途に柔軟にカスタマイズできるポイントが最大の特徴です。

このSalesforceは顧客管理システム(CRM)では珍しい、クラウド型のサービスなのでハードウェアの調達やソフトウェアの購入といった初期投資が不要で導入しやすく、セキュリティも万全です。業種や企業規模を問わず広く選ばれ、世界トップレベルの認知とシェアを誇っています。

出典:IDC社、『Worldwide Semiannual Software Tracker』(2021年4月)

クラウド型のサービスとは? 5つのメリットと2つのデメリット

「クラウド」とは、インターネット経由でのWebサービス利用をする環境の総称です。システムやデータの管理をすべてネット上(GoogleやChromeなどのウェブブラウザ上)で行うため、サービスの利用場所に制限されません。クラウド型のサービスであるSalesforceは、PCやスマートフォンなどの端末へアプリをダウンロードする必要がなくインターネット環境があればどの端末からでも場所や時間の制限なくアクセスすることが出来、必要な情報を閲覧したり保管することができます。

クラウド型サービスの5つのメリット

01. 初期費用がほとんどかからない

従来では一つのシステムを導入するのに初期導入費用として機材の導入やシステムの開発などの莫大な費用が必要でした。しかしクラウド型サービスではサービスに申し込むだけですぐに利用が可能なので初期費用抑えられる点が大きなメリットです。

自社でサーバーを保有すると、それなりのイニシャルコストが発生します。専門スキルを持つ担当者も配置しなければなりません。担当者がいない、または育っていない場合は外部に委託せざるを得ず、ランニングコストも高額になりがちです。しかしクラウド型のサービスなら、費用負担は基本的には定額料金のみです。また、導入したシステムが自社とマッチしなかった場合でもクラウド型サービスではNetflixを解約するように、すぐに解約することができます。

02. サービスの利用場所を選ばない

場所を問わずにサービスを利用することができるのもクラウド型サービスの魅力です。自社サーバーの場合、基本的には会社のPCにインストールして使用するため、オフィス外からはアクセスできません。しかしクラウドではインターネットを経由しアクセスするため、世界中どこにいてもインターネット環境さえあれば利用することが出来ます。

また、このコロナ禍においてリモートワークが増えているおり、場所を選ばずに利用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。Salesforceでは従業員が外出先のスマートフォンからアクセスし情報を入力することができるため、営業後、無駄にオフィスに立ち寄る必要がありません。

03.メンテナンスが不必要

自社サーバーを運用する場合、サーバーを維持するためのエンジニアを配置し、安定性やセキュリティ面の確保など、システム維持のために定期的にメンテナンスを行う必要があります。

一方、クラウド型のサービスではシステムのアップデートやメンテナンスは不要です。従来は自社で行っていた細かなメンテナンスは、Salesforceが自動的に行ってくれるため、システムの維持に担当者を配置する必要もなく、人件費の削減につながります。

04. すぐにサービスを利用できる

クラウド型のサービスは既製品のシステムを購入し利用する形になるため、契約後すぐに利用できるのがメリットです。自社でシステムを開発するとなると、利用開始までに数か月間かかることも珍しくありません。

ビジネスにおいてスピードは重要ですから、この差は大きいと言えます。

05. データのアクセスや共有が楽

クラウド型のサービスは、さまざまな端末に対応しているのも特徴です。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットからもアクセスできるので、外出先から資料を確認したり、外出している従業員へのデータの共有も可能です。

また、Salesforceでは共同編集も可能です。外出先で従業員が入力したデータをオンタイムでオフィスにいる職員が閲覧することも可能ですし、修正事項は変更事項があれば修正することも可能です。互換性を気にせず快適に仕事ができるようになるのは大きなメリットでしょう。

クラウド型サービスの2つのデメリット

01. カスタマイズに限界がある

クラウドは商品化されたシステムを利用するため、ユーザー側でカスタマイズできる範囲に限度があります。提供元のサービスや契約によって自由度は異なりますが、自前で自社用にカスタマイズして構築するシステムよりは劣ります。

02. オンライン環境が必要

クラウドはサービス提供元のサーバーにインターネット経由でアクセスするため、オフラインでは利用できません。何らかの影響で回線速度が遅い場合や、接続が不安定になっている状況、ネット環境の整備されていない山奥などでは満足に使えないことがあります。

しかしSalesforceではこのクラウド型サービスの2つのデメリットに完全対策しています。

SalesforceではSalesforce platformという基盤の商品化されたシステムを提供していますが従来のクラウド型サービスとは違い、顧客のニーズや用途に合わせて自由にカスタマイズできる機能が備わっています。カスタマイズ方法もエンジニアがコードをカタカタ書いていくような難しいのではなく、「ローコード」や「ノーコード」と呼ばれるプログラミング言語を必要とせずにカスタマイズが可能です。しかし本当に機能性と自由度が高い分「使いこなすまでに時間がかかる」という点はあるかもしれません。

また、Salesforceにはモバイルアプリケーションも用意されており、それらを使用することで、アクセス出来るデータの量に限りはあるものの、地下鉄での通勤、航空規制、携帯電波の不調、受信状況の悪いビルの谷間などに遮られることなく、データにアクセスすることができます。