今日は、僕が読んでいいな!と思った、こちらの本の序章を紹介します。序章だけでも盛り沢山な内容なので、ぜひ一度目を通してみてください。

私たちの日常はストレスを感じることばかりです。職場の人間関係や、通勤通学の苦労、家事や育児の大変さ。さらに今日ではWITHコロナによって、今までには無かった様々なストレスや不安・孤独を感じていると思います。「ストレスは無くした方がいい」というのが一般的な常識ですが、それらを完全に取り除くことは不可能です。なので私たちは、ストレスとうまく付き合っていくことが求められています。この本ではストレスを上手な付き合いができ、ストレスを溜め込まない人を「ストレスフリーな人」と定義されています。

ストレスをなくすのではなく受け取り方を変え

残業や徹夜続きのブラック企業で、ほんの数ヶ月でうつ病になってしまう人もいれば、なんとも無い人もいます。この違いは「レジリエンス」の差であると言われています。後者のような人は、ストレスを上手く受け流すことができる「レジリエンスの高い人」です。私たちは向かってくるストレスを真正面から受け止めるのではなく、スッとかわす必要があります。

レジリエンス=回復力・復元力(心のしなやかさ)

私たちは、「考え方」や「受け止め方」を少し変えるだけで、ストレス・不安をしなやかに受け流すことができるようになります。それだけで「不安」や「悩み」は消すことができます。と、いうところでこの本が始まります。

不安は何もしないと増え、行動すると減る

人間は何かに悩んだり不安になったりする時、生存本能で闘うか逃げるか「さっさと行動せよ」と猛烈に急かす脳内物質のノルアドレナリンが分泌されます。

だから、悩んで不安になった時に布団の中で「どうしよう、どうしよう」と悩み続けるほど、不安は増大する。不安を消すことは簡単で「行動する」こと。

不安=「早く行動してピンチから脱出しなさい!」という命令

ノルアドレナリンが「不安」や「恐怖」を引き起こす

では、どう「行動」したらいいのか?

3つの行動をする

人間の悩みは、行動しながら、解決していくもの。あれこれと調べて知識だけたくさんついても現実世界には何も影響を及ぼしていない。まずは、動くこと、行動することです。

1:話す

「相談する」「カウンセリング」というのも「話す」ことです。友達とのおしゃべりでも、ストレスを発散することができます。

2:書く

「書く」というのはさらに強烈なアウトプットです。自分の悩みを書き出すだけで、ストレスが吐き出されます。

毎日、日記をつけることで、自己洞察力が鍛えられます。書くことで脳内が整理され、間違った考え方や不適切な感情に気づき、修正する手がかりを得ることができます。

3:体を動かす

もし、どうしても強い不安があるのなら、今すぐ外に出て、100メートルを全力疾走してください。かなりスッキリするはずです。

不安というのは「何かをしなさい!」というエネルギーなので、全力で何かに取り組めば、軽減、解消します。その最もいい例が運動です。

セロトニンが活性化することにより、ノルアドレナリン(不安のもと)を正常化したり、脳内を鎮静し、リラックスさせ、ネガティブな感情を消し去ってくれます。

悩み解決のプロセス

「悩み」とは、ある問題について、苦しみ、思い煩っている状態です。その苦しみが取り除かれ、あれこれ考えることがなくなれば「悩み」は解決した状態になります。

「悩み」の共通点は「どうしたらいいか?」という「対処法」「解決法」を知りたいのが共通点です。

この悩み解決の手順は簡単で、対処法や解決法を知る。そして行動する。それだけです。

1:悩みを書く

まず、自分の悩みを、できるだけ詳しく箇条書きで紙に書き出します。

次に、その箇条書きの項目で文章を作ります。文章化するコツは人に相談するイメージです。

そうすることで、自分の状況や心理を、冷静に見られるようになります。アウトプットすることで客観視が可能となり、自己洞察が深まります。

2:対処法を調べる

ネットの情報は薄く、ダイジェスト的で信頼性も不十分。根拠もなく、間違った情報もよく書かれている。必ず、「本」を使って調べることを推奨されています。

この時のポイントは簡単に実行できる「ToDo」を3つ見つける。ことだそうです。

3:やってみる

対処法がわかったら、とにかくそれをやってみる。最低でも「1~2週間」は実行してください。「できません」「続けられません」という人は「3つのToDo」の難易度が高いのです。簡単に実行できるものに変えてください。

ここで重要なのは、「やっている」「動いている」「行動している」など、脳科学的には何かをしている状態にすることです。

4:評価する(フィードバック)

1~2週間経ったら、3つのToDoがどこまでできたかを評価する。

評価の手順1:うまく行ってない理由を3つ書く

評価の手順2:うまく行っている点を3つ書く

評価の手順3:次のToDoを3つ書く

必ずネガティブは先に書きポジティブは後に書きます。そうすることで書き終わった後の気分がポジティブになります。

このように「悩み」を全て「ToDo」に置き換える習慣を身につけることで、「悩んでいる自分」はいつか消えます。

心と体を整える。

今の時代、うつ病患者が100万人を超える時代です。「軽うつ」「前うつ」「隠れうつ」などの予備軍はその数倍いると言われており、さらにコロナ禍によって増加傾向にあります。そんな世の中で、うつ病を予防するには「規則正しい生活」に尽きると言われてます。

病気の予防法はいくつかあるがその中でも特に効果が高いのが、「睡眠」「運動」「食事」です。

1:睡眠

1年以上の慢性的な不眠を抱えている人と、いい睡眠が取れている人を1年間追跡した場合、うつ病の発症率は40倍の違いがあります。

過度なストレスがかかった時でも十分な睡眠をとっていればストレスを軽減、解消できます。逆に睡眠が取れないと、ストレスを解消できず、ストレスや身体的な疲労を蓄積します。

以下の二冊で最高の睡眠方法を知ることができます。

世界最高峰の睡眠研究機関とも言われているスタンフォード大学の西野精治教授による「睡眠本」ブームの元祖ともいうべき一冊です。

2:運動

「週2回ジムに通って運動していますが、うつ病です」そんな患者さんに会ったことがないそうです。

うつ病の治療として、運動療法が注目されています。週に150分以上の有酸素運動で、薬物療法と同程度かそれ以上の効果があると言われています。

オーストラリアの研究によると、運動習慣が全くない人は、週に1~2時間の運動をしている人に比べ、うつ病発症のリスクが44%増加しています。また、ハーバード大学の研究によると、身体活動の多い人や、スポートをする人は、うつ病の罹患率が20~30%低いことが明らかにされています。

具体的な運動としては、ランニングや水泳などの有酸素運動、あるいは普段の散歩やヨガなのでの軽い運動でも気分の改善や工向上効果が認められています。また、最近では「筋トレ」にも、うつ病の改善効果を認める報告があります。

運動をすると「セロトニンの分泌が活性化する」「睡眠の質が改善する」ストレスホルモンを低下させる」など良いことづくめなのです。

3:食事

最近、「朝食は取らない方がいい」「1日1~2食が健康的」など、様々な健康法が出てきておりますが、メンタル罹患の予防の観点からは3食をバランスよく食べることが重要だそうです。

また、噛むことはとても大切で10~15分の咀嚼でセロトニンを活性化させることもわかっています。

朝ごはんをゆっくり食べるだけで、朝からセロトニンを活性化させることができるのです。うつ病とは、セロトニンが低下する病気ですから、咀嚼によってセロトニンを活性化させることには意味があります。

では朝食は何を食べたらいいのかというと、「健康的な日本食」が良いそうです。「健康的な日本食」「動物性食」「西洋風朝食」の3パターンで抑うつ症状との関連を調べた研究では、「健康的な日本食」のみが抑うつ効果を56%も抑制したことがわかっています。

しかし、どうしても時間がない時は、朝にバナナ(トリプトファンが豊富)を1本食べるものありだそうです。

1:主食、主菜、副菜、汁物で栄養バランスのいい一汁三菜
2:「まごはやさしい」(豆類、ごま、ワカメなどの海藻類、野菜、魚、椎茸などのキノコ類、芋類)
3:肉よりも肉よりもサバ、ニシン、秋刀魚などの青魚
4:みそ、醤油、納豆などの発酵食品
5:塩分が多い(醤油や漬物の取りすぎに気をつける)
健康的な日本食の特徴

最近のトレンドである美容と健康。私たちの身体は食べ物で作られています。中田敦彦のYouTube大学でも紹介されていた本をご紹介します。

最高のモーニングルーティン「朝散歩」

YouTubeでは様々なモーニングルーティンが見られますが、精神科医としておすすめなのが「朝散歩」だそうです。朝起きてから、1時間以内に15~30分の散歩をするだけで、セロトニンが活性化し、体内時計がリセットされ自律神経が整えられるのです。

朝散歩が効果的である科学的な理由は3つあります。

1:セロトニンの活性化

セロトニンは「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」によって活性化します。セロトニンは、覚醒気分、意欲と関連した脳内物質です。セロトニンが活性化することで、清々しい気分となり、意欲がアップし、集中力の高い仕事ができます。

さらに、セロトニンを材料に夕方から睡眠物質のメラトニンが作成されます。その結果、夜の睡眠の質をあげることもできます。

2:体内時計のリセット

私たち人間には体内時計があり、平均24時間10分なので、毎日、体内時計をリセットする必要があります。体内時計がズレると「指揮者のいないオーケストラ」のように体内がバラバラの状態になり、高血圧、糖尿病、がん、睡眠障害、うつ病など、様々な病気の原因になります。

体内時計をリセットするには太陽の光(2500ルクス)以上を5分浴びるのが効果的だそうです。

3:ビタミンDの生成

ビタミンDは日本人の8割が不足していると言われています。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にするホルモンです。ビタミンDの原料は紫外線です。

ビタミンDは食事からも摂取できますが、15~30分の朝散歩をすることで、1日に必要なビタミンDが生成されます。

効果的な朝散歩の方法

具体的な方法は「起床後1時間以内に、15~30分の散歩を行う」ことです。健康な人であれば15分程度でセロトニンが活性化します。

注意点として、30分を超えた散歩はセロトニン神経が疲れてしまい、逆効果になってしまうそうです。実際、私は海まで行って帰っての1時間ほどの散歩をしていたので、これには驚きました。

また、日焼け止めや、サングラスもNGだそうです。セロトニン神経が活性化するには、ある程度の明るさの光が「網膜」から入る必要があるからだそうです。